『つのる言葉を花に乗せて』
胸が高鳴る春の息吹
寒い冬が過ぎ、段々とあたたかい光に満ちた陽気になってきましたね。
満開だった桜もちらちらと緑の新芽が見え隠れし始めました。
春はたくさんの花が咲き始める季節です。
桜をはじめ、チューリップや菜の花、5月にはすずらんなど
色も形もとりどりな顔ぶれと出会うことができます。
様々な種類の花たちが顔を出す季節ですが、花というものはそれぞれに違う意味、言葉を持っています。
それを《花言葉》といい、「バラ:愛、美」「アジサイ:移り気」といったように花というくくりは
同じでも種類が違うだけでこんなにも違う意味を持つことがわかります。
その地域、国の色に染まる花言葉
花言葉の起源としては諸説ありますが、17世紀ごろのトルコが発祥と言われており、
贈り物を送る際、花に思いを託して恋人に贈るというロマンチックな風習があったそうで
それがヨーロッパ中に広まり、各国でそれぞれの花に対するオリジナルの言葉が出来上がっていきました。
日本に花言葉が輸入されたのは明治の初期頃だと言われています。
当初は輸入された花言葉をそのまま使用していましたが、
後々日本の風習や歴史背景に合わせて日本独自の花言葉がつくられていきました。
こういったように、花言葉にはその国の歴史や風習だけでなく神話や伝説、更には宗教問題とも
関わりを持つので同じ花であっても花言葉が全く違うことがあるのです。
さて、この春うららかな時期に咲く花たちにはどのような花言葉があるのでしょうか。
まず「桜」。春にとって欠かせない存在です。
その花言葉は「精神美」、いわゆる直接の感覚によるものではなく精神的に感じられるもの
ということですが、何故このような花言葉が与えられたのでしょうか。
それはアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントン(1732~1799)が
子供のときに誤って父が大切にしていたサクラの木を切ってしまい、
それを正直に告白したら逆に褒められたという「ワシントンの斧」という話に由来します。
花言葉の種類もその由来も様々なので調べてみるととても面白いですよ。
花びらも、込められた想いも、彩り豊か。
それでは春(3月から5月頃)に咲く花の花言葉を前述したように紹介します。
●チューリップ:思いやり ●アネモネ:はかない恋、恋の苦しみ ●水仙:うぬぼれ、自己愛
●すみれ:誠実、小さな幸せ、謙虚 ●アザレア:恋の喜び ●菜の花:快活
●ライラック:思い出、友情 ●マーガレット:恋占い、真実の愛 ●ガーベラ:希望、常に前進
●なでしこ:大胆、純愛 ●すずらん:純粋、再び幸せが訪れる ●スイートピー:別離、門出
いかがですか?本当に様々な意味が込められていますよね。
また、花の種類によっては色や品種で花言葉が違うものもあります。
例えばガーベラは赤色だと「神秘」、黄色だと「究極美」、白色だと「律儀」
というように同じ種類なのに色によって込められた意味が変わるのです。
不思議なことですが、それだけ花に対して色んなことを思い、
連想する豊かな心があるということなのでしょうか。
様々な国で長い間好まれている花言葉。私もこれを期に日本以外の国の花言葉を調べてみようと思います。
春の柔らかな日差しを浴びながら花たちと顔を合わせに散歩に行くのが今から楽しみです。
製作者:清水