グリーンベルト図鑑vol.20 「ヤブツバキ」
寒い日が続いて、朝は布団から出たくない!1度入ったコタツからなかなか出られない!そんな日が続きますね(笑)
そんな中外へ出てみると、寒空の下、寒さに負けまいと咲く真っ赤な花を見たことはないかな?
今回は、雪が積もると白と赤のコントラスが鮮やかに写る、寒さにも負けない椿、その中でも日本に古くから根付くヤブツバキのお話です。
椿という名前は「艶(つや)葉(は)木(ぎ)」、「厚(あつ)葉(ば)木(き)」などが転じたものと言われたり、「強(つよ)葉(ば)木(き)」が語源だと言われているんです。
名前こそ葉っぱからつけられたかもしれないけど、椿の魅力は冬の薔薇ともいわれる赤い花ですよね!
ちなみにその花、散ってしまうときは花びらが1枚1枚落ちるんじゃなくて、花が丸ごとポトリを落ちる珍しい花なんです。
桜とおんなじですね!
ほかの植物は葉が散ってしまったり、あまり花を咲かせない。動物も冬眠に入る寒い時期にその赤い花を咲かせるのには秘密があるのです!
花の花粉は虫や鳥、風が運んでくれるのはみんな知っているかな?
椿はその中でも鳥に花粉を運んでもらう「鳥媒花」の1つなんです。
冬はさっきも言ったけど、花はあまり咲いてないよね。そこで目立つ赤い花を咲かせることで鳥にも見つけやすくして、花粉を運んでもらえるようにしているんです。
そんな冬の過酷な時期に花を咲かせるために椿の花びらや葉っぱは少し厚くなっています。
これは葉の表面がロウに覆われていて、乾燥しやすい冬の時期でも水分が逃げてしまわないようになっているからなんです。
それで椿の葉っぱはテカテカしているんだね。
みんなも1度は聞いたことがあるであろうあの椿油は、椿の種から作られているけど、種の時からそれだけたくさんのエネルギーを蓄える工夫がされているんです。
さらに椿は油だけじゃなく、その木材は硬いから彫刻細工にも使われていたりと、昔から人と関わってきているんです。
椿の花は昔から少しずつ品種改良がされてきて、今では赤だけじゃなく、白やピンク色のものに模様があったり、咲き方も違っていたり、さらには開花時期も10~2月に咲くものや、2~4月に咲くもの、6~7月に咲くものもあったりと違いがあるので、温かくなってからでも見つけられると思います!
今からでも赤い椿を探しに行きたい!って人は温かい恰好をして探してみてね。
きっと近くを通るとすぐに見つけられると思うよ!
名古屋情報メディア専門学校 1年 中村弥貴