愛知のグッドアクション紹介~地域在来種を重視したアイシンエコトープ~
どうもこんにちは!
命をつなぐPROJECT 学生実行委員会です。
本日はすごいところに取材に来ちゃいました!
愛知県のモノづくり産業を代表する
アイシン精機さんのビオトープです!
アイシン精機さんは、
トランスミッションをはじめシートやドアなど
ボディまわりの自動車部品、ガスヒートポンプエアコンなどのエネルギー製品を
開発・生産する企業です。
2007年に社員手づくりで造成したビオトープをどんどん進化させ、
2017年にはビオトープ大賞を受賞しています。
そんな、産業界でも企業ビオトープ界でも大きな存在感を誇るアイシン精機さん。
果たしてどんな取り組みをしているのでしょうか……
バッチリご紹介していきたいと思います!
コチラです!
アイシンさんは、いわゆる水辺ビオトープだけでなく、
資源リサイクル施設やビオトープをまとめて「アイシンエコトピア」と呼んでいるそうです。
こちらのエコセンターでは、各工場から出される
プラスチック等の廃棄物をリサイクルするための施設です。
ここで生まれ変わった「かつての廃棄物」は、
再生レンガや路面舗装材など様々な用途で活躍しているそうです。
こちらのエコ農場では、
社員食堂から出る残飯や構内に生えている樹木の
枯れ木や枯れ草を発酵させて作った肥料を用いて
サツマイモやスイカなどの野菜を作っています。
そしてこちらのアイシンの森ではエノキなどの
知多半島 在来種の 樹木が植えられています 。
そしてそして…
いよいよわれらエコレコ編集チーム の主目的、
水辺ビオトープ『アイシンエコトープ』 のご紹介です。
池から流れ出す小川が敷地を縦断しています。
このビオトープは、近自然工法でつくられているそうです。
ちなみに、『近自然工法』はスイスで生まれた河川工事の技術です。
自然の生態系が復元するよう、
できるだけ現地の自然に近い形で施工する工法だそうです。
アイシン精機のビオトープも、設計段階で近隣の自然環境を調査し、
それに近い自然を再現。
地域在来の動植物が棲みやすい環境をつくっているそうです。
ビオトープには
カワバタモロコ(愛知県絶滅危惧 I 類)や
ゴマダラチョウ
など、
いまや数が減少している貴重な 生物が生息しています。
ここで、ご担当のアイシン精機㈱安全衛生環境部 環境グループ 環境プラン推進チーム
大脇さんにお話しを聞いてみましょう。
(学生委員)「素晴らしいビオトープですね!
こうした取り組みをはじめたきっかけを教えてください。」
(大脇さん)「 循環型社会の発信地として、自社で出したもの(廃棄物)は
自分たちでリサイクルするという考えのもと、エコセンターをつくり、
また、在来種を保全する必要性から、まずは手づくりでビオトープを造成しました。」
(学生委員)「なるほど~!ずいぶん前から取り組んでいたんですね。
取り組み始めたころ、何か苦労したことはありますか ?」
(大脇さん)「やはり手づくりだったのでうまくいかないことも多かったようです。
植物が枯れてしまったり、 地形や川に 落差を形成することが できなかったり。
そこで、2011 年から専門家や業者さんにも入ってもらって
本格的なビオトープづくりが始まったんです。」
(学生委員)「そうしたビオトープづくりの結果、
2017年のビオトープ大賞受賞につながったんです ね!
ビオトープの維持管理で苦労した点はありますか?」
(大脇さん)「 カワバタモロコは苦労しました。
碧南海浜水族館から譲り受けた個体を池に放したのですが、
野鳥による捕食や外来種の侵入、他の水生生物との共存がうまくいかないこともありました 。
そこで、通常の池とは別にカワバタモロコ専用の池をつくり、
野鳥対策や外来種対策を万全にしたことで繁殖に成功しました。
今ではかなりの個体数が棲んでいますよ。」
(学生委員)
それにしても、こうした環境 を維持して 生物種を増やしていくのは
なかなか大変だと思いますが、どんな体制で取り組んでいるんですか?」
(大脇さん)「 エコトピア は 専任の スタッフ 4 名体制で管理しています。
生き物館では見学時に水中にどのような生物が生息しているかわかりやすくするために
たくさんの水生生物を 育成しているんですよ。 」
(大脇さん)「もちろん、しっかりと調査も行っています。
2011年調査では 85 種の生き物が確認されましたが、
2018年調査では 110 種に増えています。」
(学生委員)「少しずつビオトープが成長しているということが言えそうですね!」
(大脇さん)「そうですね、そして、調査活動の後には必ず、
常駐スタッフと我々でミーティングを行います。
調査結果を受けて、中長期目標達成に向けて今後どういった整備が必要かなどを話し合っています。」
(学生委員)「きちんとした目標を設けて、そこに向かって都度確認しあいながら
進めていくという取り組み方は、ビジネスにおけるプロジェクト推進の原則と同じですね!
自然再生にもそうした視点を取り入れているのは素晴らしいですね!」
当日は、私たちも池の調査に参加させていただきました!
自然のなかで体を使うのはお任せください!
カワバタモロコの個体数とサイズ、
他の生き物が混入していないかどうかを確認しました。
この調査は一度だけの体験では結果は出ないようですが、
少なくとも他種の混入は見られませんでした。
(学生)「最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。」
(大脇さん)「 この先の地球環境は、温暖化による異常気象、資源の枯渇、汚染の拡大など、
人間を含む生き物が暮らしにくい課題を多く抱えています 。
私たちは 生産活動を通じてこれらの課題をクリアしていくために
中期・長期で目標を立てて活動してきました。
今後も『持続可能な社会』づくりに貢献できるよう、
地域の皆様にご理解いただき、活動を充実させていきたいと考えています。」
(学生)「素晴らしいですね!
こうして大きな企業さんが 当たり前のように地域の自然に貢献してくれていることは
素晴らしいと思います。私たち学生も、地域向け緑地イベントはいくつか経験していますので、
ぜひコラボレーションさせてください!
今回はありがとうございました!」