愛知のグッドアクション~びおとーぷ堤~
どうもこんにちは!
命をつなぐPROJECT学生実行委員会です。
毎回、愛知県内に位置する工場・事業所のビオトープを紹介するこのコーナー
今回はなんと!『世界のトヨタ』
トヨタ自動車㈱の堤工場にお邪魔しています!
堤工場では、2018年の10月に大規模かつ本格的な
生物多様性配慮型のビオトープを造成。
2018年 第11回ビオトープ顕彰(主催:NPO法人 日本ビオトープ協会)
において最優秀の『ビオトープ大賞』に輝いた
ポテンシャルと期待値の高いビオトープになります!
授賞式では、我々 命をつなぐPROJECTも基調講演で登壇させていただきました。
そのご縁で今回の取材が実現したカタチになります。
堤工場のビオトープ、その全貌がコチラ!
面積は、約7,400㎡!
トヨタの国内工場では最大規模だそうです。
我々も数多くのビオトープを取材してきましたが、
企業さんのビオトープでこの規模は数少ないですね!
敷地の東西に小川が流れ、
中流・下流には池が整備されています。
川の周囲には地域の在来種であるコナラを中心とした里山林が再現されています。
最上流部にはなんと滝まで!!
滝・止水域・小川・里山林と、
多様な自然環境が再現されており、
様々な動物たちが生息できる環境になっているようです。
小川へ放流する稚魚を育成するための専用施設も整備。
環境づくりへの強いこだわりが感じられます。
エコスタックなどの昆虫・小動物の隠れ家も随所に見られ、
生きもの好きの我々学生実行委員にはたまらない環境でした。
思わずしゃがみ込んで生き物を探してしまいます……
それでは、気になるアレコレを堤工場 工務部長 吉田様に伺っていきましょう!
学生委員「まずはこのビオトープがつくられた経緯を教えてください。」
吉田部長「2015年に公表した『トヨタ環境チャレンジ2050』がきっかけです。
これは、クルマの環境負荷をゼロに近づけるとともに、
地球・社会にプラスとなる取り組みを通じて、
持続可能な社会の実現に貢献するための様々なことに挑戦する取り組みです。
このビオトープは特に『人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ』として、
国内外の工場を自然と共生する工場に変えていくという目的で
整備されました。工場内緑地の芝地を改修し、
生物多様性豊かな環境を創り出そうとしています。」
学生委員「トヨタグループ全体で様々なサステナブル目標に挑戦しているそうですね!
こちらのビオトープはどのようなコンセプト、こだわりでつくられていますか?」
吉田部長「地域本来の生態系保全に貢献するような環境づくりを行い、コナラを中心とした里山林を創出するとともに、
「近自然工法」を取り入れることで、より自然に近い環境をつくっています。
水辺では豊田市の天然記念物に指定されている魚類『ウシモツゴ』の繁殖にも取り組んでいます。
他にも、近隣の河川からギンブナやドジョウなどの在来種を取り入れています。」
学生委員「近自然工法は近年注目の工法のようですね!
先日取材させていただいたアイシン精機さんのビオトープも近自然工法を取り入れていました。
具体的にはどのような環境を再現されていますか?」
吉田部長「池の周りに岩を設置し、生物の隠れ家や滝口・落差高により川の流れに酸素を取り込み、
生物の生息しやすい環境づくりをしています。」
学生委員「これだけの規模を維持されるのは大変だと思いますが、特に苦労された点はありますか?」
吉田部長「管理人を3名置き、うち1名が常駐者なのですが、
夏場は植物の成長が著しく、整備が大変です。
外来種を見つけたら駆除しているのですが、
背の高い植物に囲まれて探すのも難しくなってきていました。
そこで部員全員で、お昼休みを使って草取りを実施しています。
また、魚が泳いでいた池に野鳥が飛来して魚を食べてしまう事態も報告されています。
もちろん野鳥も生態系の一部ですので、バランスが難しいところですね。」
学生委員「それは歯がゆいところですね~!どちらも大切な生命ですものね。
それでは最後に、今後この環境をどのように活用していきたいか教えてください。」
吉田部長「もう少しビオトープの生態系が安定したら、
地域向けの観察会や整備体験など、地域との交流・環境学習の場として
活用出来たらと考えています。
前述の『トヨタ環境チャレンジ2050』では、未来を担うエコ人材を社内外で育成することも目標としていますので、
そうした活動のフィールドとしても活用できるのではないかと考えています。」
学生委員「こうして、学生の取材を受け入れてくださるのもその第一歩ですね!
今後も何らかの形で連携出来たらと思いますので、
ぜひお声掛けいただけたら嬉しいです!
本日はどうもありがとうございました!」