無人カメラが激写
無人カメラが激写!
グリーンベルトのどうぶつ写真 2017.1/12
昼夜問わず煌々と灯がともり、轟音が響き渡る、眠らぬ工業地帯。
こんな騒々しい環境に、キツネやノウサギ、タヌキといった動物がどんどん増えている。
小さなビオトープをつくり、動物たちの住処や抜け道を創り続けてきた
「命をつなぐPROJECT」の地道な活動は、少しずつ実を結び始めた。
このページでは、「命をつなぐPROJECT」が設置した無人カメラに収められた
かわいらしい動物たちの写真をたっぷりご紹介したい。
水飲み場にやってきた双子タヌキくん
大同特殊鋼 知多工場 ビオトープ
2016年、大同特殊鋼 知多工場の敷地内、新日鐵住金 名古屋製鉄所との境界付近に造成したビオトープ付近にて。2匹のタヌキが仲良く水を飲む姿が映し出されている。この付近には大同-新日鐵間のフェンスがあり、両者の敷地は隔てられていた。2014年に「命をつなぐPROJECT」が提唱しフェンスに穴をあけ、動物だけが通れる道「アニマルパスウェイ」をつくっていた。その後しばしばタヌキのパスウェイ通行が撮影されていたことから、彼らにとってより住みやすい環境を創出すべく、動物の水飲み場的ビオトープが2016年につくられたばかりだ。まさしく目論見どおり。計画大成功だ。
動物たちの動画も激写!URLは本ページ最下部に。
工業地帯に出現!「ごんぎつね」の子孫
大同特殊鋼 知多工場 ビオトープ
こちらも2016年、大同特殊鋼 知多工場のビオトープ付近にて。 その昔、知多半島にはたくさんのキツネが生息しており、 そんな環境から、新見南吉の『ごんぎつね』『てぶくろをかいに』などの名作童話が生み出されたのだが、里山が失われて久しい近年、内陸部からもキツネの姿はほとんど見られなくなっていた。 ところが、臨海部工業地帯のグリーンベルトが豊かになるにつれ、かつての里山を追われたキツネたちが工業地帯に集まっているようだ。
工業地帯が第二の山里に?
出光興産 愛知製油所
こちらは出光興産 愛知製油所で撮られたキツネ。出光ではキツネの大好物、ノウサギも撮影されている。まさしく里山の生態系が、グリーンベルトにはある。ここはさしずめ、第二の里山といっても過言ではない。
動物たちの動画も激写!URLは本ページ最下部に。
コンビナートにノウサギ駆ける草原が?
出光興産 愛知製油所
こちらも、出光興産 愛知製油所にて。ここではノウサギが複数、日常的に観察されていた。職員による記録写真も数多く、緑地内で繁殖しているものと思われる。前述のキツネは、このノウサギを目当てに移動してきたと考えられている。ちなみにこの緑地ではキツネの親子目撃情報もある。完全に『ごんぎつね』時代の風景が、経済社会の象徴的な大規模コンビナートの真ん中で展開されているのだ。