産業車両・自動車・繊維機械。3つの異なる事業分野において、世界販売シェアNo.1製品を持つ豊田自動織機。 トヨタグループの創始者である豊田佐吉が発明した自動織機を製造するため、豊田自動織機製作所(現 豊田自動織機)は設立されました。 現在のトヨタグループの発展はここから始まっています。
2012年、自社遊休地を活用して地域本来の生態系を取り戻すためのビオトープ整備を行った豊田自動織機。
周囲にはため池や緑地が点在しているため、この水辺を拠点に生態系ネットワークの形成が期待できそうです。
様々な生き物が憩える設計を施すほか、“地域の自然の見本園”を目指して整備を進めているのだとか。
24時間開放し、誰でもいつでも立ち寄ることのできるその緑地は、地域とのつながりをも生み出しています。
工場の敷地内ではなく、 駅前の住宅地に隣接する 自社遊休地に整備されたビオトープ。 工場廃棄物を有効活用したり、 太陽光発電を設置する等 環境に配慮した 設計となっている。
園内は地域の自然をお手本とした、 「水辺ゾーン」、「林ゾーン」、 「草地ゾーン」の3つのゾーンを整備。 それぞれのゾーンには、 地域本来の固有種を植栽することで、 周辺に生息する 生き物を呼び寄せている
ビオトープが完成して3年、 トンボや鳥など さまざまな生物が訪れている。 地域住民との整備活動を 継続して行っており、今後は 地域の交流の場、子供たちにとっての 自然体験の場としての活用が期待される。
「ヘビ」と付くがトカゲの仲間である。 日本の固有種で 北海道、本州、四国、九州に分布。 カナヘビの語源については詳細不明だが、 「可愛いらしい蛇」の意で 「愛蛇(かなへび)」に由来するとの説がある。
東京ガス、大阪ガス、西部ガスとともに日本四大都市ガスの一角を担い、エネルギーサービスの提供を通じて、 愛知県・岐阜県・三重県の地域生活を支えています。 近年は電気事業への進出や水素社会の実現に向けた取り組み等、事業領域を拡大。総合エネルギーサービス企業へと進化し続けています。
緑地内に高さ約10mの小山を設けていて、地表の起伏がある変化に富んだ景観が特徴的。
広大なビオトープには、美しさから人気のあるチョウトンボやメジロ、オオタカなどが見られ、
まさに生命のオアシスです。
「できるだけ自然に近い森」「生き物を豊かにする水辺」をコンセプトに緑地づくりを進め、2010年に
(財)都市緑化基金による「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に認定されています。
約10mの緑地盛土を設けており、 変化に富んだ 景観をつくりだしている。 緑地の構成上、核をなすのは 約7,500㎡の広大なビオトープ。 高低差のある地形と ビオトープにより、 多種多様な生き物が 集まる環境となっている
平成12年の造成以来、 少しずつ整備を重ねながら豊かな 環境をつくりあげてきた。 平成22年に実施した動植物調査では、 動物約180種、 植物約180種が確認されており、 知多の企業緑地群でも珍しい 本格的なビオトープへと 成長を遂げつつある。
豊かなビオトープを 有効に活用すれば、 さらに多様な生態系を 育むことができるはず。 今後も観察を継続していきたい。
鮮やかな金属光沢を発する羽をもち、 蝶のように 舞うことからこの名がある。 浮葉植物の多い池や沼を好むため、 ヒシなどを導入すると 飛来確率が上がるはずだ。
1911年の創業以来、「人間尊重」という経営理念を掲げ、暮らしを豊かにするエネルギー企業として、 広く社会に期待され信頼される企業を目指しています。 愛知製油所は、日本で最も新しい製油所で、中部圏やその周辺の地域の暮らしに欠かせないエネルギーを供給し続けています。
愛知製油所は、緑豊かな「公園工場」を目指し、操業時から45万本の樹木を植えています。
自然豊かな緑地は、長さ2km・幅100mの広大な規模で、
キツネやタヌキなどの哺乳類のほか、キジやカモの親子連れが水辺周辺でよく見られるそうです。
2014年には新たな水辺を新設。
学生や企業と協力しながら水辺を整備し、さらなる生物多様性向上を図っています。
長さ約2km、幅100mの グリーンベルトを誇る 出光興産愛知製油所。 計画的に間伐することで 木に多くの日光を浴びせ、 強くたくましい樹木を 効果的に育てている。
ノウサギやタヌキ、イタチ、キジや カルガモなど、 たくさんの生き物を観察できる。 特にノウサギは目撃されることも多く、 緑地内にたくさんの糞が 残されており、その活動の痕跡を 確認することができる。
平成25年12月、 固定カメラにキツネが撮影された。 市街地からは 姿を消しつつあるキツネが、 工業地帯で確認されたことは、 企業緑地の生物多様性ポテンシャルが 高いことを意味している。
草原から森林まで 多様な環境化で生息。 餌を求めて広範囲を移動するため、 緑地同士をしっかりと繋ぎ、 生息環境を 確保することが重要。
住宅総合ソリューションの提供を目指し、2011年にトステム・INAX・新日軽・サンウエーブ工業・東洋エクステリアが統合して誕生したのがLIXILです。
窓や内装建材、バスルーム等の水まわりまで、生活を支える製品を扱っています。
知多工場は、シャワートイレの基幹工場として一貫生産ラインを確立させています。
ヒヨドリがさえずり、秋には赤トンボも飛び交うなど
四季折々の生物相が観察できます。
地域の風土と文化を守る「工場の杜」プロジェクトに取り組んでおり、
工場や物流拠点で働く従業員や
家族、近隣住民・団体、行政が交流しながら、
その土地にふさわしい樹種の苗木を敷地内に植樹する活動を実施。
植樹を通して地域との交流を深めています。
正門をくぐると手入れの行き届いた 芝生が広がり、クスノキやシダなどの 常緑樹が立ち並ぶグリーンベルトがある。 工場建屋の裏手には小規模ながら 竹林があり、 特長的な景観を演出している。
動物の行動範囲を広げるために、 隣接するJX日鉱日石エネルギーと 協力し、動物の通り道 (アニマルパスウェイ)を開通させた。 企業の垣根を越えて、グリーンベルトの 新たな豊かさを生みだしつつある。
工場入口の右手に伸びる一本道は、 植物が生い茂り、 まるで緑のトンネルのよう。 緑地のポテンシャルと動物の通り道を 活かし、ぜひともノウサギが駆ける ノスタルジックな風景を再現してほしい。
全身の毛は褐色で腹部は白い。 体長45~50cmに 成長する野生のウサギ。 昼間は藪の中などで休息するため、 藪を設けることで 誘致できるかもしれない。
ENEOSのブランドで、サービスステーションを全国約11,000箇所にて展開。 エネルギーに関する全てのニーズに応えられる「総合エネルギー企業」を目指し、天然ガスや電力事業の強化を図っています。 知多製造所では、石油化学製品の基礎原料生産に特化。ペットボトル等の製品となり私たちの暮らしを支えています。
巨木が立ち並び、下草は丁寧にかりとられ整備が行き届いている緑地です。
緑地の一部はオオタカなどの猛禽類が飛来しやすくなるように植林を間隔をもたせ、餌となるネズミ類が隠れやすいように緑地を設計。
水辺は、愛知用水から引き水を循環させる等様々な工夫を凝らしてます。学生参加型の水辺の整備活動等も実施。
生物生息空間としての緑地づくりだけでなく、地域への教育資材としての提供を追求しています。
長年にわたり、鳥糞や牛糞などの 有機肥料を投入し 続けた事が功を奏し、 豊かな土壌として 生まれ変わった緑地。 植林の間隔を 整える等の工夫も凝らされている
約200 ㎡のビオトープを新設。 愛知用水からの引き水を ゆっくりと循環させながら 水辺の生態系作りを行っている。 生物生息空間だけでなく、地域への 教育資材としての提供など、 理想の形を追求している。
学生参加型のビオトープ整備を実施。 企業と学生のコラボレーションで つくられるビオトープの 今後に、大いに期待したい。 カモ類をはじめとした水鳥の 拠点となるポテンシャルを秘めている。
日本では主に、
カルガモ、オシドリなどが通年生息し、
日本全国の河川や湖などで見られる。
日本では多くが冬鳥であるため、
冬季にはマガモ、
コガモ、オナガガモ、スズガモなど
多種が見られる。
船舶や航空機・自動車・宇宙・社会インフラといった重工業製品を製造。 160年以上の歴史がある、日本屈指の総合重工業メーカーです。 愛知事業所では、ドリルシップ(海洋資源掘削船)はじめ、多種多様な海洋構造物、特殊作業船の建造・改修に積極的に取り組んでいます。
IHI愛知事業所の緑地は、少年野球などに解放された芝生グラウンドに隣接し、
草地から雑木林、水辺まで生物の生息に適した環境が整えられています。
2014年には、愛知県内の学生や専門家と協力し、ビオトープを新設。
JX日鉱日石エネルギー知多製造部に生えていたガマをビオトープに移植する等、
様々な主体と連携しながら生物多様性向上に取り組んでいます。
芝生を中心とした草地と 高低様々な木々が入り混じる 林相豊かな森との 一体感が特徴的。 多様な生物の生息可能な 環境が揃っている良好な緑地だ。
森の内部には石や廃材を積み上げた トカゲ・コオロギハウスが設置されているほか、 外来種を除伐し緑地内に積み上げて 堆肥化を図っているなど、 生物多様性向上のための 活動に積極的な姿勢がうかがえる
頻繁にカワセミが目撃されている。 平成26年7月には、 貯水槽のすぐ脇にビオトープを新設。 学生参加型の ビオトープ整備を実施していきながら、 カワセミの生息地拡大に貢献してほしい
思わずハッとするほど美しい野鳥。 水辺に生息することから “水辺の宝石”とも言われている。 狩りの名手でもあり、 目にもとまらぬスピードで 水面にダイブして華麗に魚を捕える。
1916年の創業以来、高品質な特殊鋼を製造。 特殊鋼を必要としている産業は多岐にわたり、自動車、飛行機、発電所、精密機器など、様々な分野の心臓部を担う役割を果たしています。 日本のモノづくりを長きに渡って支え続ける、特殊鋼のリーディングカンパニーです。
緑化の歴史は大きく3段階に分けられます。操業開始から70年代前半の「公害対策としての工場緑化」。
70年代後半から80年代の「景観重視の緑化」。
そして生物多様性が意識されるようになった21世紀初頭からは
「大同の森づくり」と称して、社員や地域住民と大規模な植樹祭を開催。
知多工場建設当初から「緑豊かな工場」にしようという思想のもと、
緑地の質を高め続け、今や野鳥や昆虫の憩いの場となっています。
ビオトープの水源を雨水で 確保するなど、 野生の動植物にとって、 理想の状態となるように、 できるだけ 人の手を入れずに管理されています
企業緑地一斉解放イベント 「LOVE! GREEN DAY」 (命をつなぐPROJECT主催)では、 シジュウカラの巣箱を複数設置するなど、 鳥たちが憩える 緑地整備に取り組んでいます。
鳥たちの営巣地を整備することが できれば、希少な渡り鳥が 子育てを行う価値ある場所となる。 その取り組みは決して簡単なもの ではないが、あきらめずに 鳥たちの楽園を目指してほしい。
市街地から森林まで 生息するポピュラーな留鳥。 巣箱を利用する鳥としても知られる。 繁殖期には、 食用性昆虫を捕食し、 緑の食害を防ぐ役割を担っている。
新日鐵住金は、国内第1位、世界第2位の粗鋼生産能力を持つ鉄鋼メーカーです。 2012年10月に、新日本製鐵と住友金属工業が経営統合し、誕生しました。 名古屋製鐵所では、世界の産業を支える「鉄」の中でも、主に自動車・家電・容器用を中心とする薄板製品を生産しています。
新日鐵住金の名古屋製鐵所には、地域住民と共に植樹し自然のままの姿で育てられた“郷土の森”があるという。
その森は幅50m・長さ900mもの広大な緑地で、タヌキやイタチなどがしばしば顔を出し、
様々な生命が宿る環境が整っています。
緑地に沿って太田川が流れており、森と水とが調和するやわらかな景観を生み出しています。
幅50m、長さ900mにおよぶ 広大な緑地を持つ 新日鐡住金。 緑地沿いには大田川が流れ、 さまざまな動物が 生息できる環境が整っている。
緑地には、タヌキやイタチ、 キジなどがしばしば顔を出す。 川岸にはサギをはじめ 大小様々な水鳥が飛び交い、 餌を探して水辺を 歩く姿を眺めることができる。
平成24年7月、 大同特殊鋼との敷地を 仕切るフェンスに哺乳類の為の 抜け穴を学生と共に設置。 タヌキの 利用が確認されている。
細長い胴体に短い手足が特徴的。 体重2kg以下とネコ目のなかでは 最も小柄な種です。 小動物を捕食する一方、 猛禽類やキツネに捕食される立場でもあり、 生態系の中核を担う重要な存在です。
トヨタグループの1社として、自動車用の特殊鋼、鍛造を中心とした自動車部品の製造・販売をグローバルに展開。「良きクルマは、良きハガネから」という開発精神で、素材の可能性を追求し、社会・地域の限りない発展に貢献しています。
社有地の一部に落葉広葉樹の森をつくり、カブトムシをはじめとする生き物が
自然のサイクルの中で暮らしつづけられる環境を創出することを目標に、
2012年より『カブトムシのすむ森づくり』活動を実施しています。
2013年には、社員と地域住民が協力し、約1200本の苗木を植える植樹祭を開催。
生態系にも地域にも貢献する価値ある森へと育成、拡大しています。
平成25年11月、 学生と共に植樹祭を開催。 カブトムシの棲む緑地を 目指してコナラをはじめとした 広葉樹の苗木を植樹した。
落葉を堆肥として活用し、 土壌を豊かにしていくために 落葉樹をメインに植樹。 やがてこの木々が成長した際には、 昆虫や鳥が集まる 仕掛けを施していく予定だとか。
常緑樹が主体のグリーンベルトにおいて、 「落葉樹の森」という個性は 価値になりそう。 いつかはカブトムシの集まる森を実現し、 地域の自然体験・環境学習の場として 提供してもらいたい。
クヌギやコナラの生えている樹林に生息し、 樹液を吸って生きる。 幼虫は腐葉土や やわらかな朽木をエサとするため、 カブトムシの繁殖には 良く肥えた腐葉土の地面が必要不可欠となる。